ベッドの昔の言い方とは?由来と歴史も解説します

ベッドの昔の言い方と由来 暮らし・生活

私達が寝る時に使っている「ベッド」。

実は、昔の日本では違う言い方をしていたのです。

本記事では、以下のことを説明していきます。

本記事の内容
  • 「ベッド」の昔の言い方について
  • 「ベッド」の言葉が一般的になったタイミング

当記事を読むことにより、ベッドの昔の言い方と、ベッドという言葉が一般的に呼ばれるようになったタイミングが分かります。

ベッドの昔の言い方について

ベッド

昔の日本では、ベッドに関して以下の言い方をしていました。

ベッドの昔の言い方
  • 「寝台(しんだい)」
  • 「榻(とう)」

順番に説明していきます。

「寝台(しんだい)」について

寝台(ベッド)を初めて使用したのは「聖武天皇」

中国の歴史では、古代から、「床(しょう)」といった寝具が使われていました。

そして、この寝具は奈良時代に日本に伝来

その後、日本の第45代天皇「聖武天皇」「御床(ごしょう)」という寝台(ベッド)を使ったとされています。

奈良時代に入ると、中国からベッドが伝来した。日本に現存する最古のベッドは聖武天皇が使用したもの

出典元:東洋経済オンライン

ちなみに、「正倉院」には、聖武天皇と光明皇后の寝台が合わせて2つ保管されていたことから、

夫婦で寝台を2台並べて使われていたのでは?

と考察されております。

平安時代に「寝台」は広まらなかった

中国からの伝わった寝台(ベッド)。

これにより、日本中に一気に広がったのかというと、全く広まりませんでした

なぜなら、平安時代になって「畳」の存在が現れたからです。

畳の出現により、敷布団を使う生活様式が主流となったため、一般の方にまでは寝台(ベッド)は浸透しませんでした。

明治時代に「寝台」が使われるようになる

「寝台」という言葉が本格的に使われるようになったのは、明治時代以降のこと。

西洋のベッドが日本に導入され、それを指す言葉として「寝台」が用いられるようになりました。

特に、鉄道の「寝台車」などの形で明治時代から広まりました

「榻(とう)」について

「榻(とう)」は、中国から伝わった言葉で、主に簡易的な寝台(ベッド)長椅子を指します。

漢字の意味としては、

  • 「低い台」
  • 「腰掛けられる床」

を指しています。

日本では、貴族や高貴な人々の寝具として「榻」が使われることがありました。

ただ、一般的には「寝台」のほうが主流でした

つまり、日本では「榻」が「ベッド」と同じ意味で広く使われたわけではありませんが、「寝台」に近い意味で使われたと考えられます

「ベッド」の言葉が一般的になったタイミング

ベッド

日本で「ベッド」という言葉が一般的に浸透したのはいつ頃からか、解説していきます。

明治時代|「ベッド」の言葉はあった

日本に西洋文化が本格的に流入したのは明治時代からです。

西洋式の家具や生活様式が徐々に紹介され、

  • 病院
  • 軍隊
  • 上流階級

などの間では、ベッドが使われ始めました。

ただし、一般庶民の間ではまだ布団が主流でした

大正時代|「布団」が一般的だった

富裕層や一部の知識人の間で洋風の生活様式が広まり、洋室にベッドを置く家庭も現れ始めました

しかし、日本全体で見ると、依然として布団での生活が一般的でした。

昭和時代|GHQの影響でベッドが普及

一部のホテルや病院ではベッドが普及していましたが、一般家庭ではほとんど使われていませんでした。

ですが、GHQの影響でアメリカ式の生活様式が広まると、ベッドの普及が進行。

特に1950年代から1960年代にかけては、

  • 都市部の住宅事情の変化
  • ライフスタイルの欧米化

などの影響により、ベッドを使う家庭が増えてきました

つまり、「ベッド」という言葉自体は明治時代から使われていますが、日本で広く一般的になったのは 昭和時代以降となります。

まとめ

ベッド

今回は、ベッドの昔の言い方と、ベッドという言葉が一般的に呼ばれるようになったタイミングをご紹介しました。

以下、今回の簡単なまとめになります。

簡単なまとめ
  • ベッドの昔の言い方は「寝台(しんだい)」
  • 「榻(とう)」という言葉もあるが、「簡易ベッド」、「ソファベッド」のようなものだった
  • 日本で寝台(ベッド)を初めて使用したのは「聖武天皇」
  • 「ベッド」という言葉自体は「明治時代」にあったが、一般庶民には浸透していなかった
  • 日本で一般的に「ベッド」が広まったのは、昭和時代以降

現代では、ベッドという言葉を使う人が圧倒的に多いと思われます。

しかし、日本には昔から「寝台」や「榻」など、ベッドを表す言葉がありました。

今ではベッドが一般的になったとはいえ、日本独自の寝具文化も根強く残っています。

ですから、これから住環境やライフスタイルの変化に伴い、新たな寝具の形が生まれるかもしれませんね。